本章では解析設定(Analysis Settings)の詳細で使用できるパラメータについて説明します。
Design Control:設計コントロール
Use External Solver:外部ソルバーの使用
選択可能なオプションは次の通りです。
No(デフォルト)
解析と最適化の両方でGENESISを使用します。
For Selected Analysis System
ANSYS またはLS-DYNA FEAソルバーを使用し、ESL最適化が行われます。
ESL最適化についての詳細は、10章のESL for Ansysで説明します。
To Update Thermal Load
ANSYS FEAソルバー(熱解析)を使用し、静的システムの更新ボディ温度を計算します。
詳細は、11章のAnsys熱解析結果の使用(ETL)に示します。
Max. Optimization Cycles(DESMAX):最大サイクル
最適化問題に対する設計サイクルの打切り数を指定するものです。 デフォルト値は15 です。
初期の設計と最適な設計が離れていると考えられる場合、Max. Optimization Cyclesを大きくすべきです。設計変数の変化に対する応答が非線形性を示すよな設計も、同値を大きくする必要があるでしょう。
解析にかかる時間コストが大きい場合、同値は小さく設定されることを推奨します。
設計が最大サイクルで打ち切られた場合、GENESISのリスタート機能を使用することで設計を続行できます。リスタート機能については、Restart Optimization:最適化のリスタートに示します。
Analysis Control:解析コントロール
Processors (THREADS):プロセッサ
このパラメータは、GENESISソルバーが使用するプロセッサ数を規定します。デフォルトは2です。
Memory:メモリ
このパラメータは、GENESISソルバーが使用するメモリ量(MB)を設定します。デフォルトでは、システムの実装メモリの半分が使用されます。設定値(MB)は、ワード数に変換され、GENESISのLENVECに割り当てられます。(ワード=メモリ量/4)。
Diag. Level(DIAG):診断レベル
このパラメータは、診断の出力レベルを設定します。次の書式です。
d1, d2, d3, ...
ここで、diはコマンド番号です。たとえば、85は問題要約の一部を出力、87は問題要約の全てを出力します。詳細は、GENESIS Analysis Manual.を参照してください。
Echo (ECHO):エコー
GENESIS出力ファイルにPARAM、DOPTパラメータの値を出力します
GENESIS Solver
Optimize:最適化解析の実行
GENESISソルバーをコールし、最適化を実行します。
ツリーに結果オブジェクトが在る場合、ポスト用の結果ファイルはANSYS Mechanicalに自動的にインポートされます。要素密度を含む結果ファイル名は genesisDENXX.pchの形式で保存されます。解析出力を含む結果ファイル名は genesisXX.pchの形式で保存されます「XX」は設計サイクルです。
Single Analysis:解析の実行
GENESISソルバーをコールし、解析を実行します。Init. Mass Fractionは、Single Analysisにも適用されますので注意してください。
Dry run to import results:結果インポートのドライ・ラン
ANSYS MechanicalにGENESIS結果ファイルをインポートする必要がある場合に使用します。Output File to ImportとDesign Cycle to Importへの入力と選択が必要です。Output File to Import にはGENESIS出力ファイル(例えば、genesis.out)のパスを入力します。Design Cycle to Importには、インポートしたい設計サイクル数を指定します。ALL (デフォルト)の場合、結果ファイルに含まれる全ての設計サイクルの結果がインポートされます。First & Last、LastまたはSpecify a Cycle No.も指定できます。
Restart Optimization:最適化のリスタート
リスタート機能により、任意の設計サイクルからリスタートできます。デフォルトでは、最終設計サイクルから最適化がリスタートします。リスタート後の追加サイクルの最大数を指定できます。
リスタートすると、前の最適化の最後の解析が繰り替えされます。入力データを変更しても構いません。リスタート入力データの唯一の制限は、設計変数の数と順序が以前のままであることです。リスタートの際は、前の最適化が出力したgenesis.HIS ファイルが使用されます。
GENESISが設計サイクルの最大数に到達した場合、最大数に至る前のサイクルからリスタートする方がよい場合があるかもしれません。その場合は、目的関数の履歴を確認してください。もし目的関数や最大制約違反の値が振動していたら次のことを試してください。
・Move Limit値を小さくする
・または、制約スクリーニングの個数を増やす
そして、最適化の履歴のなかで、最もよいデザインのサイクルからリスタートする。
ただしリスタートすると、次の情報は失われます。
・固有モードの追跡情報
・設計変数の移動制限(move limit)の調整
Write New GENESIS Input File:新規GENESIS入力の生成
Yes(デフォルト)の場合、新たなGENESIS入力ファイルが「解析の実行」の度に生成されます。手修正を施したデータを使用したい場合は、Noを選択できます。
Loadcases
これはGENESIS入力ファイルへ書き出す解析/荷重ステップ(ロードケース)をコントロールします。2つのオプションがあります。
・Referred by Optimization
最適設計するロードケースまたは設計ロードケースの前提となるロードケースのみエクスポートします。
・All
最適設計の存在にかかわらず全てのロードケースをエクスポートします。
GENESIS Solver Executable:GENESIS実行プログラムの所在パス
GENESISプログラムの所在パスです。デフォルトでは、インストールされているGENESISの最終バージョンが表示されます。必要により編集できます。
Design Studio Executable:Design Studioプログラムの所在パス Design Studioプログラムの所在パスです。デフォルトではインストールされているDesign Studioの最終バージョンが表示されます。必要により編集できます。
Design Move Limits:設計ムーブリミット
GENESISは、近似応答を使用し効率的に最適化問題を解きます。近似応答は、一般に近似が構築された設計変数値の近傍では正確です。そこで設計変数値の範囲をある程度制限する必要性があります。この制限を移動制限(Move Lomit)と云い、個別の設計サイクルでの一時的な境界としてGENESIS内部で使用されています。移動制限は最適化の効率性に影響しますが、最終的な最適化の結果に影響を与えるものではありません。
移動制限には、トポロジー設計のムーブリミットとトポグラフィー、フリーフォーム、サイジング、トポメトリのムーブリミットがあります。
トポロジー設計のムーブリミット
トポロジーの移動制限には、次の2つがあります。
Fractional Topology Move Limit(DELT):要素のトポロジー設計変数Xに許容する微小ムーブリミット。デフォルトは1.0E-6。
Min. Topology Move Limit(DTMIN):トポロジー設計変数TMINに許容するムーブリミットの最小値。デフォルトは0.2。
トポロジー設計変数Xの設計サイクルiでの移動制限を用いると、生成される一時的な境界は次式で示されます。
LBi = MAX [TMIN, Xi – MAX (DELT*Xi, DTMIN)]
UBi = MIN [1.0, Xi + MAX (DELT*Xi, DTMIN)]
ここで、TMINは、トポロジー設計変数の最小値です。
移動制限を変更すべきとき
一般に、デフォルトの移動制限は、ほとんどの問題でうまく作動しますので、ユーザーはムーブリミット値を変更する必要はありません。移動制限値の変更が必要なのは、initial mass fraction(質量分率の初期値)が10%以下の時です。この場合に推奨するムーブリミット値は、
・DELT=0.4
・DTMIN= (Initial Mass Fraction)/3.0
移動制限の変更で、収束までの設計サイクルが増します。この場合、Max. Optimization Cycles(DESMAX):最大サイクル数を増やしてください。
トポグラフィー、フリーフォーム、サイジング、トポメトリのムーブリミット
トポグラフィー、フリーフォーム、サイジング、トポメトリの移動制限には、次2つがあります。
Fractional Variable Move Limit (DELX):設計変数に許容するムーブリミット。デフォルト値は0.5(近似最適化プロセスの間に最大50%の移動を許容します)。
Minimum Variable Move Limit (DXMIN):設計変数に許容するムーブリミットの最小値。デフォルト値は0.1(設計変数の変化がDXMINよりも小さい場合、DXMINがムーブリミットとして使用されます。
一設計サイクルの移動制限を決定するためのアルゴリズムを次の通りです。
ここで、Xは設計変数、Xintは、設計変数の初期値です。
移動制限を変更すべきとき
デフォルトの移動制限は、ほとんどの問題でうまく作動します。ユーザーは、一般にムーブリミット値を変更する必要はありませんが、設計変数と応答の関係が非線形的な場合や、応答が設計変数の小さな変化に対して敏感な場合は、移動制限を小さくする必要があります。また設計サイクルの最大数は増やす必要があります。
Design Convergence:設計の収束
計算が一定の条件を満たすと、計算が収束したとみなして終了します。この収束の判定には、Hard ConvergenceとSoft Convergenceの2種類があります。
Hard Convergence:ハード収束
Hard Convergenceには合致しなければならない2つの条件があります。
・第一は、すべての設計制約が微小値Hard Max. Violation(GMAX)を超える違反がないこと。
・もう一つは、連続する2つの設計サイクルの目的関数の相対変化量がHard Relative(CONV1)よりも小さいか、連続する2つの設計サイクル間の目的関数の絶対変化量がHard Absolute(CONV2)よりも小さいことです。
最適設計に近付けたいと思う場合は、CONV1とCONV2を小さくします。CONV1とCONV2の値を大きくすると、早く収束しますが設計結果は最適でない可能性があります。制約違反度も低減または増加します。GMAXは0.003より小さくしないでください。
Hard Relative(CONV1):ハード相対変化
Hard Relativeは、最適化プロセスにおけるハード収束を検出する相対変化基準です。最適化過程でのハードコンバージェンスを検出する相対変化量です。 目的関数の相対変化が2つの連続する設計サイクルでCONV1より小さく、すべての制約が満たされると終了します。デフォルト値は0.001です。
Hard Absolute(CONV2):ハード絶対変化
Hard Absoluteは、最適化プロセスにおけるハード収束を検出する絶対変化基準です。目的関数の絶対変化が2つの連続する設計サイクルでCONV2より小さく、すべての制約が満たされると終了します。 デフォルト値は0.001です。
CONV2=Max(CONV2*OBJinitial,1.0E-19)
CONV2には、目的関数値の初期値の0.1%か1.0E-19のうち、どちらか大きい方が設定されます。
Hard Max. Violation (GMAX):ハード最大違反
Hard Max. Violationは、最適解で許容される最大の制約違反です。制約は正規化されているため、値0.01は1%の制約違反を表します。 デフォルト値は0.005(0.5%)です。
Soft Convergence:ソフト収束
Soft Convergenceには合致しなければならない2つの条件があります。
・第一は、全ての設計制約がSoft Constraint(CONVCN)を超える違反がないこと。
・もう一つの条件は、2つの連続する設計サイクル間で、設計変数の相対変化がSoft Relative(CONVDV)よりも小さいことです。
Soft Constraint(CONVCN):ソフト制約
Soft Constraintは、ソフト収束のための最大制約値での許容変化です。デフォルト値は0.001です。最大制約値での変化がCONVCNより小さくかつCONVDVを満足する場合、ソフト収束で設計プロセスを終了します。
Soft Variable(CONVDV):ソフト変数
Soft Variableは、最適化プロセスのソフト収束を検出する相対変化基準です。デフォルト値は0.001です。近似最適化の間に設計変数の最大の相対変化がCONVDVより小さく、CONVCNを満たす場合、ソフト収束で終了します。
ハード収束vs.ソフト収束
エンジニアリングの観点からは、ハード収束が好ましいです。それは、設計がよりロバストであることを示しているからです。設計変数の変化が、目的関数や制約関数に大きく影響しないであろうということです。
Misc. Design Control:その他設計コントロール
その他以下の設計コントロール・パラメータについて順に述べます。
Topology/Design Index Method (TINDEX/DINDEX) :インデックス法
Linearization (LINAPR):線形化
Anticheckerboard Filter:アンチチェッカーボード・フィルター
Topology Symmetry Tolerance (TSYMTOL):トポロジー対称トレランス
Mesh Smoothing (MSMOOTH):メッシュ・スムージング
Element Midsize Node (MIDSIDE):要素中間節点
Topology Element Density and Internal Heat Generation (TPQVOL):要素密度と内部発熱
Convert Second Order Element to First Order:2次要素から1次要素への変換
Topology/Design Index Method (TINDEX/DINDEX) :インデックス法
複数の目的関数は「compliance index objective function (TINDEX/DINDEX) 」(以下、インデックス目的関数)として取り扱われます。これは、目的で使用される各応答を、重み付け総和した単一の応答とする方法です。各応答の目的関数の考慮方法は、パラメータTopology/Design Index Method (TINDEXM/DINDEXM)での指定に依ります。
Topology/Design Index Methodの値が、Normalized Reciprocal (TINDEXM/DINDEXM=0)またはNormalized Direct (TINDEXM/DINDEXM=1)の場合、応答は、その応答の最初の設計サイクルの値で規格化されます。
Topology/Design Index Methodの値が、Reciprocal (TINDEXM/DINDEXM=2)またDirect(TINDEXM/DINDEXM=3)の場合、応答は規格化されません。
上記応答Riに重みWiを掛けたものをfiとすると、インデックス目的関数Tは次式で計算されます。
ここでfi は次のように定義されます。
Topology/Design Index Methodの値が、Normalized Reciprocal (TINDEXM/DINDEXM=0)またはReciprocal(TINDEXM=2)の場合、次式で計算されます。応答値の最大化は、負の重み係数の逆数を用います。
Topology/Design Index Methodの値が、Normalized Direct (TINDEXM/DINDEXM=1)またはDirect(TINDEXM/DINDEXM=3)の場合は、素直に合計します。
Linearization (LINAPR):線形化
このパラメータは、線形近似化の方法を指定します。
Regular (LINAPR = 0) :デフォルト
全ての制約が線形のとき、最適化プログラムは「fast」線形近似法を使用します。いずれかの近似が非線形の場合、標準的なハイブリッド近似を使用します。
Aggressive (LINAPR = 1)は
全ての制約について「fast」線形近似法の使用を強制します。これにより、各設計サイクルの時間が短縮されますが、近似の品質の低下と収束までの設計サイクル数が増大する可能性があります。
Anticheckerboard Filter For Topology Design:トポロジー設計のアンチチェッカーボード
Anticheckerboard Filterは、トポロジー最適化の結果が、チェッカーボード模様になることを防止します。
Anticheckerboard Filter (FILTER):アンチチェッカーボードフィルタ
Global
GENESISは、global anti-checkerboard filter regionを使用します。
Regional
GENESISは、property-by-property (body-by-body) anti-checkerboard filter regionを使用します。フィルタは、同じプロパティまたはボディ内の要素のみ扱います。
Regional with Norm Check
GENESISは、property-by-property (body-by-body) anti-checkerboard filter regionを使用します。フィルタは、隣接要素の影響を決定するためにシェル要素の法線角度を参照します。隣接する要素の法線が一列になるほど、それらの要素はフィルタ内でより強く影響しあいます(平滑化されます)。直交する要素は影響しあいません。非シェル要素の場合、Regional with Norm Checkオプションには、Regionalと同じ効果があります。相互作用する要素の数をさらに制限するために、Cutoff Angle (FILTNRM)オプションを使用できます。
Off
Anticheckerboard Filter を使用しません。
Cutoff Angle (FILTNRM):カットオフ・アングル
Cutoff Angleは、アンチチェッカーボード領域に関与する隣接要素を除外するための角度です。非平面構造では、FILTNRMの値を小さくするほど、チェッカーボード領域の要素数は少なくなります。 逆に、FILTNRMの値を大きくすると、チェッカーボード領域の要素数は増加します。
値が0は、同一面の隣接要素のみを含むアンチチェッカーフィルタ領域の作成をGENESISに強制します。値90は、すべての隣接要素をアンチチェッカーフィルタ領域にします(ただし、90度に近い要素は、ほとんど影響しません)。
このパラメータは、Regional with Norm Checkオプションのみで使用され、その他フィルタオプションは無視されます。
このパラメータは、シェル要素のみで使用され、他のタイプでは無視されます。
Topology Symmetry Tolerance (TSYMTOL):トポロジー対称トレランス
このパラメータは、トポロジー設計の対称要素を検知するトレランスです。トレランスは、エレメントベース(minimum member sizeを用いない)のトポロジー設計に適用されます。要素並びがきちんと対称であるメッシュでのみ役立ちます。TSYMTOLは絶対値です。 デフォルト値は0.01です。 TSYMTOLは、2つの要素が対称とみなせるか比較するための実際のトレランスを得るために10で除算されます。
なお要素並びが対象でないメッシュには、Minimum Member Size(ジオメトリベースのトポロジー)を使用し、対称製造制約を課してください。
Mesh Smoothing (MSMOOTH):メッシュ・スムージング
メッシュ・スムージングは、ほぼ平面のシェル要素モデルおよびソリッド要素モデルで有効です。この機能は、要素を潰す可能性のある形状設計変数があるときに、要素潰れを防止するのに役立ちます。メッシュ・スムージングは、ON、OFFの値を持つMSMOOTHパラメータでコントロールされます(デフォルトはON)。
メッシュ・スムージングがONになっている場合、各設計サイクルの終わりにメッシュがスムーズ化されます。構造のエッジや境界上の節点位置には影響しません。全ての要素の歪みを最小化するよう内部の節点位置が調整されます。
2D平面モデルの要素接続は、モデル全体で時計回りか反時計回りに一貫している必要があります。これは必要な場合、自動チェック、修正されます。
Element Midside Node (MIDSIDE):要素中間節点
パラメータMIDSIDEは、形状最適化(トポグラフィーとフリーフォーム)中の2次要素中間節点の扱い方を規定します。
次の2つのオプションがあります;
Move to physical midpoint and apply perturbations (MIDSIDE=2) (デフォルト)
最適化に伴う要素形状の変化に従い、中間節点も移動します。要素のコーナー節点に与えられた変動ベクトルは平均化され、それぞれの中間節点に適用されます。
No change
中間節点の位置を変更しません。
Topology Element Density and Internal Heat Generation (TPQVOL):要素密度と内部発熱
これは、トポロジー最適化における内部発熱(QVOL)の計算方法をコントロールします。
2つのオプションがあります;
Independent (DOPT, TPQVOL, 0)
GENESISは要素密度でQVOLを調節しません。熱入力は、トポロジー最適化の間一定です。この設定は、内部発熱条件のあるトポロジー最適化に適しています。
Coupled (DOPT, TPQVOL,1)
GENESISは要素密度でQVOLを調節します。要素密度が0へ向かうと熱入力も0へ向かいます。
Constraint Screening (DSCREEN):制約スクリーニング
制約スクリーニングの概念は、制約スクリーニングを参照ください。制約スクリーニングは、応力、変位、速度、加速度およびその他応答に対して実行されます。制約スクリーニングは、応答タイプごとに行われます。
2つのパラメータがあります。制約を削除するためのしきい値(TRS)と保持する制約の最大数(NSTR)です。
制約値に基づく削除(TRS値)
制約スクリーニングをコントロールする第一のパラメータは、TRSです。これは制約削除の程度をコントロールします。TRSは、一般に次式の形で表現されます。
(Response-UBi)/|UBi| >= TRS
(LBi-Response)/|LBi| >= TRS
ここで、Responseは応答値、UBiとLBiは制約境界の上下値です。例えばTRS値を0とすると、制約境界値を基準に、制
下図は、TRS値を-0.3とした場合のイメージ図です。この場合、制約境界(g=0)を越える制約と制約境界(g=0)から30%以内の制約が保持されます(Xが付された赤の制約)。以外のグレーの制約は、制約条件群から削除されます。
TRS値について
TRSのデフォルト値は-0.5です。このデフォルト値の場合、制約違反に向かう潜在性を考慮して、制約境界から50%以内の制約は保持されます。しかし設計がサイクル間であまり変化しない場合は、この値を例えば‐0.2に引き上げるとよいかもしれません(制約境界から20%以内の制約は保持)。
またある設計サイクルで保持されなかった制約が次の設計サイクルで違反していることが観察された場合、TRS の値を -0.7程度に引き下げるとよいかもしれません。デフォルト値の-0.5は安全側の値のため、一般には、保持されなかった制約が違反に変わるような結果を抑止するでしょう。
領域基準の削除
制約スクリーニングをコントロールする第二のパラメータNSTRです。NSTRは、制約対象の設計領域に残す制約の最大数をコントロールします。 下図はNSTRの値を2にした場合のイメージ図です。この場合、はじめにTSR値が‐0.3を超える制約(X)に絞られ、そのXに対して1領域あたり最大2個に絞り込んでいます。
NSTR値について
デフォルト値は、1ロードケースの1領域当たり20です。
制約スクリーニングの使用メリット
制約スクリーニング(DSCREEN)は、構造領域に保持する制約数を制限します。例えば、応力集中のある一様厚さの板を考えます。 高い応力値をもつ応力集中付近の要素の制約は、保持されます。そして、それら要素の応力値を低減することは、他の要素の応力値も低減すると考えられます。つまり、最大応力の要素に関する制約をみを保持(同要素の制約のみを感度計算に使用)すればよいと考えられます。このようにして最適化計算の効率が高められています。
Constraints Screening:制約スクリーニング
Stress Constraint (STRESS):応力制約
Stress Threshold:制約境界値に対するしきい
デフォルトは-0.5。
Stress Max Retained:制約の最大保持数
設計領域(ボディ)に対して保持する制約の最大数。デフォルトは20。
Stress Constraint (STRESS)は、Stress(応力)、Grid Stress(節点応力)、Dynamic Stress(動的応力)、Dynamic Grid Stress(動的節点応力)、Contact Pressure(接触圧力)に適用できます。
Strain Constraint (STRAIN):ひずみ制約
Strain Threshold:制約境界値に対するしきい
デフォルトは-0.5です。
Strain Max Retained:制約の最大保持数
設計領域(ボディ)に対して保持するひずみ制約の最大数。デフォルトは20。
Strain Constraint (STRAIN)は、Strain(ひずみ)、Dynamic Strain(動的ひずみ)に適用できます。
Displacement Constraint (DISP):変位制約
Displacement Threshold:制約境界値に対するしきい
デフォルトは-0.5です。
Displacement Max Retained:制約の最大保持数
設計領域(ボディ)に対して保持する変位制約の最大数。デフォルトは20。
Displacement Constraint (DISP)は、Displacement(変位)、Relative Displacement(相対変位)、Dynamic Displacement(動的変位)、Dynamic Velocity(動的速度)、Dynamic Acceleration(動的加速度)、Contact Clearance(接触のクリアランス)に適用できます。
Temperature Constraint (TEMP):温度制約
Temperature Threshold:制約境界値に対するしきい
デフォルトは-0.5です。
Temperature Max Retained:制約の最大保持数
設計領域(ボディ)に対して保持する温度制約の最大数。デフォルトは20。
Force Constraint (FORCE):力制約
Force Threshold:制約境界値に対するしきい
デフォルトは-0.5。
Force Max Retained:制約の最大保持数
設計領域(ボディ)に対して保持する力制約の最大数。デフォルトは20。
Synthetic Constraint (EQUA):Synthetic制約
Synthetic Threshold:制約境界値に対するしきい
Synthetic制約について潜在的に重要な制約を得るためのしきい値を規定します。デフォルトは-0.5。
Synthetic Max Retained:制約の最大保持数
設計領域(ボディ)に対して保持するSynthetic制約の最大数。デフォルトは20。
Maxsize Constraint (MAXSIZE):最大部材寸法制約
Maxsize Threshold:制約境界値に対するしきい
デフォルトは-0.5。
Maxsize Max Retained:制約の最大保持数
設計領域(ボディ)に対して保持するMaximum Member Size (SYMV3)制約の最大数。デフォルトは20。
Progressive Power Rule:段階的パワールール
これは、トポロジー設計変数と要素剛性を関連付けるパワールールを段階的に変更する方法です。この方法は、DOPT パラメータのTCYCLEMでコントロールできます。パワー ルール変更をコントロールするいくつかの組み込みスケジュールを利用できます。
Progressive Power Rule (TCYCLEM)
6種の組込スケジュールを利用できます。
Schedule1とSchedule2では、トポロジー密度の2値化が標準設定よりも穏やかに進行します。
Schedule3とSchedule4では、トポロジー密度の2値化が標準設定よりも強く進行します。
Schedule5とSchedule6は、Schedule3とSchedule4よりもさらに強く進行します。
No Progressive Power Rule:段階的パワールールを使用しない
デフォルト
Built-in Schedule 1:組込スケジュール1
rv1変数の段階は「1.8→2.4->3.0」の3段階。各段階の最大サイクル数は7。
Built-in Schedule 2:組込スケジュール2
rv1変数の段階は「1.8→2.4->3.0」の3段階。各段階の最大サイクル数は10。
Built-in Schedule 3:組込スケジュール3
rv1変数の段階は「2.0→3.0->4.0」の3段階。各段階の最大サイクル数は7。
Built-in Schedule 4:組込スケジュール4
rv1変数の段階は「2.0→3.0->4.0」の3段階。各段階の最大サイクル数は10。
Built-in Schedule 5:組込スケジュール5
rv1変数の段階は「3.0→4.0→5.0→6.0」の3段階。各段階の最大サイクル数は7。
Built-in Schedule 6:組込スケジュール6
rv1変数の段階は「3.0→4.0→5.0→6.0」の3段階。各段階の最大サイクル数は10。
Progressive Max Cycles (DESMAXM):最大サイクル
Use overall design cycle limit
GENESISは、設計サイクルの最大数としてDESMAXを使用します。段階的スケジュール全体が完了しない可能性があります。
Override with sum of stage limits
GENESISは、段階的スケジュールを完了するために必要な設計サイクル数でDESMAXを上書きして使用します。
Additive Overhang:付加製造オーバーハング
Additive Overhangのパラメータは、付加製造オーバーハング制約をコントロールするために使用します。
Support Influence Sensitivity (OHASPA):サポート影響感度
このDOPTパラメータは、オーバーハング感度を計算する方法を選択するためのものです。オプションは次の2種です。
Direct(直接法を使用。値:0) デフォルト
Overhang-adjoint sensitivities (アジョイント法を使用。値:1)
Influence Radius Factor (OHASPRI):影響半径係数
感度計算でDirectを選択した場合、オーバーハング感度を計算するのに必要な要素までの距離をこのパラメータで定義します。
この値は倍率です。実際に探索する距離は、minimum member sizeにこの倍率を掛けた値です。 デフォルト値は 1.0 です。この値が大きいと、計算時間が長くなります。
Polarization Filter Value (HSBETA):2値化フィルタの値
ベータ値は、要素密度を2値化するために使用されます。 HSBETAの値が大きいほど、速く2値化します。 デフォルト値は 5.0 です。通常、シェルメッシュには大きな値が必要です。
Other Parameters:その他パラメータ
ここで記したパラメータは、付加製造オーバーハング制約の基本的なパラメータです。必要であれば、さらにオーバーハング制約を調整するためのパラメータがあります。詳細は、GENESIS Design Reference Manual を参照ください。
Design Output Control:設計出力コントロール
Topology Density:トポロジー密度
各要素のトポロジー設計変数値 (体積分率) は、pnameDENSxx.extと名付けられるポストファイルに任意で出力できます。ここでpnameは、入力ファイル名のベースに設定され、xx は設計サイクル番号です。extはファイル形式により次のように設定されます。
OUTPUT2 フォーマット (バイナリ) の場合は op2、PUNCH フォーマット (ASCII) の場合は pch です。
トポロジー設計データが定義されている場合は、Topology Density結果が要求されます。
Shape Change:形状変化
トポグラフィー/フリーフォーム設計の形状変化は、pname.SHPと名付けられるポストファイルに任意で出力できます。このファイルには、モデルの形状変化が元形状からの変位として含まれています。ここでpname は、入力ファイル名のベースに設定され、xx は設計サイクル番号です。extはファイル形式により次のように設定されます。OUTPUT2 フォーマット (バイナリ) の場合は op2、PUNCH フォーマット (ASCII) の場合は pch です。
トポグラフィー/フリーフォーム設計データが定義されている場合は、Shape Change結果が要求されます。
Element Sizing:要素寸法
要素の厚み値は、ポストファイルpnameOPOSTxx.extと名付けられるポストファイルに任意で出力できます。ここでpnameは、pname は入力ファイル名のベースに設定され、xx は設計サイクル番号であり、extはファイル形式により次のように設定されます。
OUTPUT2 フォーマット (バイナリ) の場合は op2、PUNCH フォーマット (ASCII) の場合は pch です。
Output for Design Cycles:設計サイクルの出力
ユーザーは、全設計サイクルの結果を出力するか、一部のサイクルの結果だけを出力するかコントロールできます。デフォルトでは、全設計サイクルの結果出力が要求されます。
All
全設計サイクルの設計出力を要求します(デフォルト)。
First and Last
最初と最後の設計サイクルの設計出力を要求します。
Last
最後の設計サイクルの設計出力を要求します。
Static Analysis Output Control:静解析出力コントロール
このオプションは、Deformation(変形)、Stress(応力)、Strain(ひずみ)、Strain Energy(ひずみエネルギー)、およびReaction Force(反力)が含まれる静的解析の出力をオン/オフするためのものです。これらの解析結果は、必要に応じて pnamexx.ext という名前の後処理ファイルに出力できます。ここで、pname は入力ファイル名のベースに設定され、xx は設計サイクル番号です。ext はファイル拡張子です。ファイル名の拡張子は、ファイル形式に基づいています。OUTPUT2 形式(バイナリ)の場合はop2、PUNCHフォーマット(ASCII)の場合はpchです。
ユーザーは、要素集合や節点集合の結果出力を要求できます。要素集合や節点集合の設定は、名前選択を使い事前定義しておきます。これは、大規模な解析モデルで役立ちます。
Deformation:変形
このオプションは、Deformationの出力をオン/オフします。Yesを選択すると、各節点の変位値を、pnamexx.ext と名付けられるポストファイルに出力できます。
Element Stress:要素応力
このオプションは、Element Stressの出力をオン/オフします。Yesを選択すると、各要素の応力値を、pnamexx.ext と名付けられるポストファイルに出力できます。
Grid Stress:節点応力
このオプションは、Grid Stressの出力をオン/オフします。Yesを選択すると、各節点の節点応力値を、pnamexx.ext と名付けられるポストファイルに出力できます。
Strain:ひずみ
このオプションは、Strainの出力をオン/オフします。Yesを選択すると、各要素の要素ひずみ値を、pnamexx.ext と名付けられるポストファイルに出力できます。
Strain Energy:ひずみエネルギー
このオプションは、Strain Energyの出力をオン/オフします。Yesを選択すると、各要素の要素ひずみエネルギー値を、pnamexx.ext と名付けられるポストファイルに出力できます。
Reaction Force:反力
このオプションは、Reaction Forceの出力をオン/オフします。Yesを選択すると、各節点の反力値を、pnamexx.ext と名付けられるポストファイルに出力できます。
Modal Analysis Output Control
このオプションは、変形(モード形状)を含むモーダル解析の出力をオン/オフするためのオプションです。これらの解析結果は、必要に応じて pnamexx.ext という名前のポストファイルに任意で出力できます。ここで、pname は入力ファイル名のベースに設定され、xx は設計サイクル番号です。ext はファイル拡張子で、OUTPUT2 形式(バイナリ)の場合はop2、PUNCHフォーマット(ASCII)の場合はpchです。
ユーザーは、節点集合の結果出力を要求できます。節点集合の設定は、名前選択を使い事前定義しておきます。これは大規模な解析モデルで役立ちます。
Deformation:変形
このオプションは、Deformationの出力をオン/オフします。Yesを選択すると、各節点の変位値を、pnamexx.ext と名付けられるポストファイルに出力できます。
Harmonic Analysis Output Control:ハーモニック解析出力コントロール
このオプションは、Deformation(変形)、Velocity(速度)、Acceleration(加速度)、Stress(応力)、Strain(ひずみ)およびERP(等価放射パワー)を含むハーモニック解析の出力をオン/オフするためのものです。これらの解析結果は、必要に応じて pnamexx.ext という名前の後処理ファイルに出力できます。ここで、pname は入力ファイル名のベースに設定され、xx は設計サイクル番号です。ext はファイル拡張子で、OUTPUT2 形式(バイナリ)の場合はop2、PUNCHフォーマット(ASCII)の場合はpchです。
ユーザーは、特定の要素や節点の結果出力を要求できます。特定の要素や節点の設定は、名前選択を使い事前定義しておきます。このオプションは、大規模な解析モデルで役立ちます。
Deformation:変形
このオプションは、Deformationの出力をオン/オフします。Yesを選択すると、各節点の変位値を、pnamexx.ext と名付けられるポストファイルに出力できます。
Velocity:速度
このオプションは、Velocityの出力をオン/オフします。Yesを選択すると、各節点の速度値を、pnamexx.ext と名付けられるポストファイルに出力できます。
Acceleration:加速度
このオプションは、Accelerationの出力をオン/オフします。Yesを選択すると、各節点の加速度値を、pnamexx.ext と名付けられるポストファイルに出力できます。
Element Stress:要素応力
このオプションは、Element Stressの出力をオン/オフします。Yesを選択すると、各要素の要素応力値を、pnamexx.ext と名付けられるポストファイルに出力できます。
Grid Stress:節点応力
このオプションは、Grid Stressの出力をオン/オフします。Yesを選択すると、各節点の節点応力値を、pnamexx.ext と名付けられるポストファイルに出力できます。
Strain:ひずみ
このオプションは、Deformationの出力をオン/オフします。Yesを選択すると、各要素の要素ひずみ値を、pnamexx.ext と名付けられるポストファイルに出力できます。
ERP output:等価放射パワー出力
このオプションは、ERP解析結果を出力するかどうかをコントロールします。
Random Analysis Output Control:ランダム解析出力コントロール
このオプションは、Deformation(変形)、Velocity(速度)、Acceleration(加速度)、Stress(応力)およびStrain(ひずみ)を含むランダム解析の出力をオン/オフするためのものです。ユーザーは、エクスポートするランダム結果のタイプを選択する必要があります。Typeオプションには、RMS,PSD、両方があります。
解析結果は、pnamexx.ext という名前の後処理ファイルに任意で出力できます。ここで、pname は入力ファイル名のベースに設定され、xx は設計サイクル番号です。ext はファイル拡張子で、OUTPUT2 形式(バイナリ)の場合はop2、PUNCHフォーマット(ASCII)の場合はpchです。
ユーザーは、要素集合や節点集合の結果出力を要求できます。要素集合や節点集合の設定は、名前選択を使い事前定義しておきます。これは、大規模な解析モデルで役立ちます。
Deformation:変形
このオプションは、Deformationの出力をオン/オフします。Yesを選択すると、各節点の変位値を、pnamexx.ext と名付けられるポストファイルに出力できます。
Velocity:速度
このオプションは、Velocityの出力をオン/オフします。Yesを選択すると、各節点の速度値を、pnamexx.ext と名付けられるポストファイルに出力できます。
Acceleration:加速度
このオプションは、Accelerationの出力をオン/オフします。Yesを選択すると、各節点の加速度値を、pnamexx.ext と名付けられるポストファイルに出力できます。
Element Stress:要素応力
このオプションは、Element Stressの出力をオン/オフします。Yesを選択すると、各要素の要素応力値を、pnamexx.ext と名付けられるポストファイルに出力できます。
Strain:ひずみ
このオプションは、Deformationの出力をオン/オフします。Yesを選択すると、各要素の要素ひずみ値を、pnamexx.ext と名付けられるポストファイルに出力できます。
Thermal Analysis Output Control:熱解析出力コントロール
このオプションは、Temperature(温度)を含む熱解析の出力をオン/オフするためのものです。
解析結果は、必要に応じて pnamexx.ext という名前のポストファイルに任意で出力できます。ここで、pname は入力ファイル名のベースに設定され、xx は設計サイクル番号です。ext はファイル拡張子で、OUTPUT2 形式(バイナリ)の場合はop2、PUNCHフォーマット(ASCII)の場合はpchです。
ユーザーは、要素集合や節点集合の結果出力を要求できます。要素集合や節点集合の設定は、名前選択を使い事前定義しておきます。これは、大規模な解析モデルで役立ちます。
Temperature:温度
このオプションは、Temperatureの出力をオン/オフします。Yesを選択すると、各節点の温度値を、pnamexx.extと名付けられるポストファイルに出力できます。
Output Request for Design Cycles:設計サイクルの出力リクエスト
ユーザーは、すべての設計サイクルの結果を要求するか、一部のサイクルを要求するかをコントロールできます。
ALL
全設計サイクルの結果出力を要求します
First and Last
最初と最後の設計サイクルの結果出力を要求します
Last
最後の設計サイクルの結果出力を要求します
デフォルトの場合、設計出力は、すべての設計サイクルの結果が要求されます。同じくデフォルトの場合、解析出力については、最初と最後の設計サイクルの結果が要求されます。
Post-Processing Control:ポスト処理コントロール
このオプションは、Mechanicalにすべての設計サイクルの結果をインポートするか、その一部のみをインポートするかをコントロールします。デフォルトでは、すべての設計サイクルの結果がインポートされます。
All
ポスト処理用に、すべての設計サイクルの結果をインポートします。ただしOutput要求で、すべての設計サイクルの結果出力を要求しなかった場合、出力ファイルに存在するサイクルの結果がインポートされます。
First and Last
ポスト処理用に、最初と最後の設計サイクルの結果をインポートします。ただし、Outputリクエストにおいて最小と最後の設計サイクルの結果を出力要求しなかった場合、出力ファイルに存在するサイクルの結果がインポートされます。
Last
ポスト処理用に、最後の設計サイクルの結果のみをインポートします。
モデルが非常に大きい場合、最後の設計サイクルの結果だけをインポートするのを推奨します。
Coarsened Surface:コーセンド・サーフェス
ユーザーは最適化された形状結果を STLフォーマットでエクスポートできます。ただし、外部境界のサーフェスのみがエクスポートされることに注意してください。
Coarsened Surfaceを使用して、トポロジー密度アイソサーフェス、形状、要素寸法、またはこれらの組み合わせをエクスポートできます。
Level of Details:詳細レベル
Level of Detailsは、エクスポートする要素密度等値面の粗密をコントロールします。 等値面に平滑化アルゴリズムが適用され、最終出力が生成されます。値0はコーセニングを最大化(粗な三角パッチ)し、値20は最小化(密な三角パッチ)します。
Cut Off Value:カットオフ値
Cut Off Valueは、トポロジー密度アイソサーフェスを構築する際のカットオフ値を規定します。
アイソサーフェスは、カットオフ値と同じ密度値の要素を通過し、密度が指定された値より大きいすべての領域を囲むように生成されます。ユーザーは、Capped Isosurfaceツールバーでカットオフ値を設定する必要があります。
File Type:ファイルタイプ
File typeは、エクスポートするアイソサーフェスのフォーマットタイプを規定します。ユーザーは、エクスポートダイアログの中のファイルタイプでSTLまたはIGESを選択する必要があります。
IGESについては、ファセットデータのみがエクスポートされます。
Thermal-Static Link:熱解析-静解析のリンク
Thermal Loads:熱荷重
Thermal Loadsオプションは、熱解析から静解析への温度荷重の与え方をコントロールします。2つのオプションがあります。
Refer to Thermal Analysis
GENESIS熱解析の温度結果が静解析へインポートされます。トポグラフィー/フリーフォーム/サイジング/トポメトリ最適化では、形状・寸法の変更に基づいて設計サイクル毎に熱解析を行い、温度結果を更新します。一方トポロジー設計では、最適化中の温度結果の更新はありません。
Imported
ANSYSの熱解析の温度結果が静解析へインポートされます。GENESISは熱解析を行いません。最適化中の設計モデルの変化に対応するインポート温度の更新はありません。
注:
ETL (External Thermal Load)法を使用する場合、上記設定に関係なくGENESISは熱解析を行いませんが、ETLのサイクルごとに設計変更に基づいたANSYSの熱解析が実行されます。したがってETLサイクル毎に更新された温度が静解析にインポートされます。これは、トポロジーをはじめ、トポグラフィー、フリーフォーム、サイジング、トポメトリの全ての最適化タイプで実行されます。
Modal/Buckling Analysis:モーダル/座屈解析
Eigenvalue Method (EIGR):固有値解法
固有値ソルバーは、次の3法を利用できます。
Lanczos法
SMS法
Subspace Iteration法
デフォルトは“Program Controlled”です。周波数計算の上限が指定されるとき、SMS法が使用されます。以外はLanczosです。
Mode Tracking(MODTRK):モード追跡
この設定は、固有振動または座屈荷重係数のモード追跡を規定します。
Yes
制約周波数または制約座屈荷重係数のモードを追跡します。
All
全てのモードを追跡します
No(デフォルト)
モードを追跡しません。
固有周波数解析の場合
設計が変化するため、モードの順番が入れ替わる可能性があります。たとえば、初期に曲げの1次モードが7Hzで、ねじれの1次モードが10Hzであったとします。設計変更の後、曲げの1次モードが11Hzで、ねじれの1次モードが9 Hzになったとします。制約が元の曲げ1次モードに掛けられた場合、それはねじれの1次モードにかかります。そこでモード追跡を使用することで、GENESISはモードを並べ替えます。つまり制約が曲げの1次モードに留まります。
追跡中の制約モード見失うと、フェータルエラーが発生しGENESISは停止します。この場合、ユーザーは最後の解析結果を確認し、正しいモード形状が制約されているかを確認する必要があります。
設計中にモード順序が入れ替わると、出力およびポストファイル中の周波数とモードは周波数の昇順にならないでしょう。モード追跡情報が出力ファイルの解析結果セクションにプリントされます。最適化リスタートを使用する場合、このプリントアウト情報を確認することは重要です。これは目的または制約の定義の中で参照するモード番号なので、モードが並びを変えた場合は変更する必要があります。すべてのモードが低い周波数から高い周波数に順序付けされるとき、リスタートされる設計サイクル中のモード番号は、そのモードの位置にあるでしょう。
周波数または固有ベクトル成分を目的または制約として使用する場合、通常、モード追跡を使用する必要があります。
座屈解析の場合
モード追跡は、座屈解析関連のモードを追跡するためにも使用できます。この場合のモード追跡の使用は、固有周波数解析と非常によく似ています。しかしながら、座屈最適化では、ほとんどの場合モード追跡を使用する必要はありません。重要なのは、最小の座屈荷重係数を上げるか、それを制限することであり、個々のモードはそれほど重要ではありません。
Random Analysis:ランダム解析
Modal Max. Modes to Find:モーダル抽出モードの上限
Program controlled
抽出モードの上限はありません。
Use Definition in Modal
モーダル解析で定義された抽出モード数を使用します。
Modal Frequency Range:モーダル周波数範囲
Program controlled
加振周波数範囲の1.5倍の値を使用します。
Use Definition in Modal
モーダル解析で定義された周波数範囲を使用します。
Solution Intervals:ソリューション間隔
ランダム解析における加振周波数を決定するために使用します。
Create Extra Modal Analysis:追加モーダル解析を生成
ランダム解析では、強制変位/速度/加速度が境界条件に適用される場合、GENESISは大質量法を使用し、強制加振を模擬します。大質量法では、強制を伴う自由度ごとに一つの追加モードが作成されます。これは、指定のモード番号が最適化されている場合、モーダル解析の最適化設定に干渉する可能性があります。そこで大質量計算のランダム解析で使用する追加モーダル解析を生成するオプションを提供します。
Yes:生成する
No:生成しない
Save Extra Modal Results:追加モーダル結果を保存する
このオプションは、ランダム解析における大質量法計算用に生成した追加モーダル解析の結果を保存する場合に使用します。
Yes:保存する
No:保存しない
ランダム解析の境界条件設定について
GENESISは大質量法を使用して強制加振を模擬するため、加振条件をジオメトリサーフェスに直接定義するのではなく、リモート境界条件のマスターノードに追加することを推奨します。大質量法では、強制加振された各グリッドに対して、加振自由度ごとに追加モードが作成されるため、加振条件の適用グリッドを少なくした計算の方が効率面で優れます。
ERP Parameters:ERPパラメータ
このパラメータは、ERP(等価放射パワー)のパラメータを規定します。
ERPのパラメータには次のものがあります。
Fluid Density (ERPRHO)
Speed of Sound of Fluid (EPRC)
Radiation Loss Factor (ERPRLF)
Decibel Scale Factor (RHOCP)
Decibel Reference Value (ERPREFDB)
ERPパラメータの詳細については、Equivalent Radiated Power (ERP):等価放射パワーを参照してください。
追加コントロールとして、次のコントロールがあります。
ERP Panel Thickness
これは、ソリッドのパートにERPパネルとして付加するシェルの板厚を規定します。デフォルトは、1mmです。
System Inertia Parameter (GRDPNT):慣性パラメータ
このパラメータは、慣性モーメント、重心などを計算する際の参照節点を規定します。オプションは次の通りです。
Default
参照点として全体座標系の原点を使用します。
Specify by Node Id
参照点として与えた節点番号を使用します。節点番号=0の場合、参照点として全体座標系の原点を使用します。
Specify by Location
参照点をX,Y,Z座標位置で指定します。
Dependent DOF for MPC, RBE, RSPLINE, and BOLT
このパラメータは、MPC/RBE/RSPLINE/BOLTの従属自由度を規定します。
Program Controlled
プログラムが必要と判断する時、AUTOMSET=YESを設定します。
Yes (AUTOMSET=YES)
MPC、RBE2、RBE3、RSPLINE、BOLT要素の従属自由度が、自動的に決められます。この場合、当該データ上の従属自由度は無視され、複数入力に依存する同じDOFを規定することができます。
No (AUTOMSET=NO)
MPC、RBE2、RBE3、RSPLINE、BOLT要素で定義した自由度が監視されます
Non-linear Contact (NLPRAM):非線形接触
このパラメータは、接触解析用のパラメータを規定します。
Maximum Nonlinear Iterations (MAXITER):最大反復回数
このパラメータは、非線形接触解析で許容する反復計算回数の最大数を規定します。デフォルトは25です。
Penetration Tolerance Factor:食い込みトレランス
このパラメータは、食込みの許容量をコントロールします。実際に接触点で許容する食込みは、この倍率と局所接触領域での平均要素サイズによって決まります。デフォルトは0.0001です。
Friction Slide Tolerance Factor:滑りトレランス
このパラメータは、滑りの許容量をコントロールします。実際に接触点で許容する滑りは、この倍率と局所接触領域での平均要素サイズによって決まります。デフォルトは0.005です。
注:
食い込みトレランスを緩和する場合、同じ倍数で滑りトレランスを緩和することを推奨します。たとえば、Penetration Tolerance Factor値を0.01 (デフォルト値の100 倍) に変更した場合のFriction Slide Tolerance Factor値は0.5 (デフォルト値の100 倍)です。
Input File Control:入力ファイルコントロール
Export Named Selection:名前選択のエクスポート
未参照の名前選択をGenesis入力にエクポートするか、コントロールします。
・YES:エクスポートする
・NO:エクスポートしない
Element Volume filtering:要素体積のフィルタ
指定のトレランスよりも小さな体積の要素を除外するか、コントロールします。
・YES:除外する
・NO:除外しない
Output File Control:出力ファイルコントロール
Post Format:ポストファイルフォーマット
GENESIS出力には2種のフォーマットがあります。
PUNCH
ASCIIフォーマット。
OUTPUT2(デフォルト)
バイナリーフォーマット。
※現在の動的応力結果はPUNCHのみ出力リクエストできます。
ESL Settings:ESL設定
ESL関連パラメータの詳細はAdditional ESL Settings:その他ESL設定を参照ください。
Extension Version Info:拡張のバージョン情報
エクステンションのバージョンとビルド日付に関する情報が設定されています。