GSAMユーザーマニュアル

第12章 Ansys固有値解析応答の使用(EES for Ansys)

はじめに

固有値解析・最適化で使用する固有値解析ソルバーとして、ANSYS固有値解析ソルバーを使用できます。GENESISの各設計サイクルでコールされる外部固有値解析ソルバー (この場合ANSYS)が固有値問題を解き、最適化はGENESISが実施します。実行プロセスは下図のようになります。

EES for ANSYSの最適化設定

EES for ANSYSの設定ステップは次の通りです。

EES解析設定のテーブルで、ESSとするANSYS解析システムを指定します。指定できるANSYS解析システムは、モーダル解析です。ハーモニックまたはランダム振動解析に連成するモーダル解析を含みます。

②最適化問題は、通常通り設定します。

詳細は次のセクションで説明します。

EES解析設定

GENESIS Structural OptimizationツールバーのEES Analysis Setupボタン()をクリックし、GENESISツリーにEES Analysis Setupオブジェクトを挿入します。

Candidate Analysis Load Steps and Substepsテーブル
このテーブルで、EESを適用する解析システムを定義します。

Analysis System
この欄には、Worlbenchに定義されているモーダル解析システムが掲示されます。この欄は編集できません。

Load Step
この欄は編集できません。

Time Freq
この欄は編集できません。

Design with EES
EES(ANSYS固有値ソルバー)で設計するかどうか選択できます。

ANSYSユーザーライセンスの選択

EES(ANSYS固有値ソルバー)で最適化を実行する際、ANSYS Mechanicalが開かれているとANSYSライセンスが2つ必要になります。その場合User License Preference(windowsの全てのプログラム–> ANSYSver –> ANSYS Client Licensing –> User License Preference)をUse a separate license foreach programに変更します。変更により、同じセッションで複数のライセンスを使用できるようになります。
ANSYSライセンスを1つしか使用できない場合は、バックグラウンドモードかリモートモードで解くことができます。ANSYS RSMの使用法は、Ansys RSM(リモート・ソルブ・マネージャ)を参照ください。

EES最適化で生成されるファイル

EES(ANSYS固有値ソルバー)の最適化を実行すると、次の2つのファイル群が生成されます。

ANSYS ファイル
最適化サイクルごとに、ANSYS入力ファイル(ESL_xx_file.dat)と結果ファイル(ESL_xx_file.rth)、およびその他ANSYS出力ファイルの一式が生成されます。ここで、xxはANSYSシステムのセル名です。
デフォルトでは、ANSYSファイルはGENESISソルバーファイルディレクトリに保存されます。ANSYSファイルは、最適化サイクル毎に上書きされます。
Save Intermediate ANSYS Resultsを選択した場合、各設計サイクルのANSYSファイルが別名保存されます。そのファイル名には繰返し数が含まれます。

GENESISファイル
GENESIS入力ファイル(genesis.dat)、出力ファイル(genesis.out)、およびその他GENESIS出力ファイルが生成されます。GENESISファイルはGENESISシステムのソルバーファイルディレクトリに保存されます。

EES最適化のANSYS解析結果のポスト処理

EES最適が終了したら、最適化後のANSYS解析結果をポスト処理できます。
最終の最適化サイクルの結果をインポートする場合、次のようにします。

標準のANSYS機能を使用する場合
ANSYS Mechanicalのツールバーで「結果>ツール>結果ファイルの読み込み」を選択し、対応するAnsys解析システムのGENESISソルバーファイルディレクトリ内の結果ファイルをインポートします。

Import EES ANSYS Result back to ANSYS Systemsを使用する場合
EES Analysis Setupオブジェクトを右クリックして、Import EES ANSYS Result back to ANSYS Systemsを選択すると、各解析に対応するANSYS解析結果がインポートされます。


制限

EES最適化の制限を記します。

1.EES適用のトポロジー最適化では、Minimum Member Sizeを使用し、ジオメトリベースの最適化を行ってください。
ジオメトリベースの場合、更新されるANSYSモデルに使用するヤング率(E)はGENESISが使用した値に同じです。つまりANSYSの解析結果はGENESISと合致します。
一方Minimum Member Sizeを使用しないエレメントベースのトポロジー最適化の場合、GENEISが使用したヤング率(E)は、更新されるANSYSモデルに使用するヤング率(E)と異なります。GENEISは内部でanti-checkerboard制御を実行するため、これが異なるヤング率を生じさせます。

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