概要
熱変形解析(非定常熱解析‐構造連成)への適用例です。非定常熱解析の温度(Transient Temperature)応答と静的構造解析のメカニカルひずみエネルギ(Mechanical Strain Energy)応答を目的関数に取り、熱拡散と剛性の向上を図るトポロジ最適化例です。Mechanical Strain Energyは、Strain Energyの値から熱の影響を除いたひずみエネルギ値です。温度変化のある剛性問題の場合、Mechanical Strain Energyの値を最大化する必要があります。
例題アーカイブファイル「ATP039_ref.wbpz」のトポロジ設計条件は、次の通りです。
・目的関数:全4ボディの最大温度 (Transient Temperature)を最小化(非定常熱伝導解析)
メカニカルひずみエネルギ(Mechanical Strain Energy)を最大化(静的構造解析)
・制約条件:質量(Mass Fraction)の上限値を設計領域質量の50%に規定
・設計領域:1ソリッドボディ
・製造制約:鏡面対称/最小部材寸法
・初期質量(Initial Mass Fraction):設計領域質量の50%(質量制約値と同じ値)
・使用単位系:メートル(kg, mm, s, ℃, mA, N, mV)
解析モデル/構造最適化結果
解析モデル 構造最適化結果
構造最適化ワークフロー
GENESISシステムは、2つの解析システムにリンクされています。
GENESISノード
GENESISノードでは、最適化条件設定と最適構造の出力に必要な最小限のオブジェクトが使用されています。
解析設定
・Design ControlカテゴリのMax. Optimization Cycleの値に25が入力されています
設計領域の定義
Topology Regions
定義 | |
Design Region Type | Independently Designed(デフォルト値) |
Design Region Limited | Yes(デフォルト値) |
□Initial Mass Fraction | 0.5 |
Design Region Definition | |
スコープ方法 | ジオメトリ選択(デフォルト値) |
ジオメトリ | 1ボディ(設計領域を選択します) |
Frozen Region Definition | |
Define Frozen Region | No(デフォルト値) |
Fabrication Constraints | |
Coordinate System | Coordinate System |
Constraint 1 | MYZ : Mirror about YZ plane |
Constraint 2 | MZX : Mirror about XZ plane |
Constraint 3 | None(デフォルト値) |
Minimum Size Control | Yes |
□Minimum Member Size | 3mm |
□Spread Fraction | 0.5(デフォルト値) |
Maximum Size Control | No(デフォルト値) |
Power Rule | |
□Power Rule > RV1 | 3(デフォルト値) |
□Power Rule > RV2 | 1E-06(デフォルト値) |
設計目的の定義
Objectives
Geometry | |
Scoping Method | All Bodies(デフォルト値) |
定義 | |
Response Type | Mechanical Strain Energy |
Region | Selected Groups |
LoadCase Selection | Tabular Data* |
Objective Definition Switch | |
Goal | Max |
□Weight | 1(デフォルト値) |
Objectives2
Geometry | |
Scoping Method | Geometry Selection |
Geometry | 4 Bodies(全てのボディを選択) |
定義 | |
Response Type | Transient Temperature |
LoadCase | 5,Transient Thermal (A5),Load Step=5,Time Freq=5.0 |
Response Creation | One Response for all selected nodes/elements |
Objective Definition Switch | |
Goal | Min‐Max |
Initial Peak Response Value | Maximum Response Value of Initial Cycle(デフォルト値) |
□Bound Scale Factor for Beta | 1.1 |
□Weight | 1(デフォルト値) |
設計制約の定義
Constraints
定義 | |
Response Type | Topology Mass Fraction(デフォルト値) |
Region | All Designed Group(デフォルト値) |
Constraint Bounds | |
□Lower Bound | None(デフォルト値) |
□Upper Bound | 0.5 |
Bound Type | Actual(デフォルト値) |
結果情報
Solution Information
最適化計算の実行時に、このオブジェクトをクリックすると、ワークシート画面にプリントされる進行情報を見ることができます。詳細テーブルの値はデフォルト値が使用されています。
トポロジー密度等値面のプロット
Topology Density Isosurface
このオブジェクトをクリックすると、トポロジ密度の等値面結果を見ることができます。
詳細テーブルの値はデフォルト値が使用されています。
[結果]タブの表示オプションは、次のようにします。
・[結果]タブ>[表示]>ジオメトリ>キャップドアイソサーフェス
・[結果]タブ>[表示]>コンタオプション>ソリッド
・[結果]タブ>[表示]>辺>モデル原形の表示
カットオフ密度はキャップドアイソサーフェスで調整できます。
温度のプロット
Transient Temperature
このオブジェクトをクリックすると、温度結果のコンタ図を見ることができます。
[結果]タブの表示オプションは、次のようにします。
・[結果]タブ>[表示]>ジオメトリ>表面
・[結果]タブ>[表示]>コンタオプション>コンターバンド
変形のプロット
Deformation
このオブジェクトをクリックすると、変形結果のコンタ図を見ることができます。
[結果]タブの表示オプションは、次のようにします。
・[結果]タブ>[表示]>ジオメトリ>表面
・[結果]タブ>[表示]>コンタオプション>コンターバンド