概要
熱伝導コンプライアンス(Heat Transfer Compliance:HTC)応答の使用例です。熱伝導コンプライアンスは、伝熱構造体の節点温度のベクトル[T]、熱流束のベクトル[F]を用いて次式で表せます。
\(HTC = \frac{1}{2}[T]^T[F]\)
熱伝導コンプライアンスHTCを最小にすると、熱流束がかかる節点の温度も最小になります。つまり熱拡散を図れます。この例題は、設計領域の上部中央の温度が固定され、設計領域全体に熱流束を設定した場合のトポロジ最適化例が示されます。
例題アーカイブファイル「ATP022_ref.wbpz」のトポロジ設計条件は、次の通りです。
・目的関数:熱伝導コンプライアンス(Heat Transfer Compliance)を最小化
・制約条件:質量(Mass Fraction)の上限値を設計領域質量の40%に規定
・設計領域:1シェルボディ
・製造制約:なし
・初期質量(Initial Mass Fraction):設計領域質量の40%(質量制約値と同じ値)
・使用単位系:メートル(kg, mm, s, ℃, mA, N, mV)
解析モデル/構造最適化結果
構造最適化ワークフロー
GENESISは、1つの解析システムにリンクされています。
GENESISノード
GENESISノードでは、最適化条件設定と最適構造の出力に必要な最小限のオブジェクトが使用されています。
解析設定
Design ControlカテゴリのMax. Optimization Cycleの値に50が入力されています
設計領域の定義
Topology Regions
定義 | |
Design Region Type | Independently Designed(デフォルト値) |
Design Region Limited | Yes(デフォルト値) |
□Initial Mass Fraction | 0.4 |
Design Region Definition | |
スコープ方法 | ジオメトリ選択(デフォルト値) |
ジオメトリ | 1ボディ(設計領域) |
Frozen Region Definition | |
Define Frozen Region | No(デフォルト値) |
Fabrication Constraints | |
Coordinate System | Global Coordinate System(デフォルト値) |
Constraint 1 | None(デフォルト値) |
Constraint 2 | None(デフォルト値) |
Constraint 3 | None(デフォルト値) |
Minimum Size Control | No(デフォルト値) |
Maximum Size Control | No(デフォルト値) |
Power Rule | |
□Power Rule > RV1 | 3(デフォルト値) |
□Power Rule > RV2 | 1E-06(デフォルト値) |
設計目的の定義
Objectives
定義 | |
Response Type | Heat Transfer Compliance |
LoadCase Selection | Tabular Data* |
Objective Definition Switch | |
Goal | Min(デフォルト値) |
□Weight | 1(デフォルト値) |
設計制約の定義
Constraints
定義 | |
Response Type | Topology Mass Fraction(デフォルト値) |
Region | All Designed Group(デフォルト値) |
Constraint Bounds | |
□Lower Bound | None(デフォルト値) |
□Upper Bound | 0.4 |
Bound Type | Actual(デフォルト値) |
結果情報
Solution Information
最適化計算の実行時に、このオブジェクトをクリックすると、ワークシート画面にプリントされる進行情報を見ることができます。詳細テーブルの値はデフォルト値が使用されています。
トポロジー密度のプロット
Topology Density Plot
このオブジェクトをクリックすると、トポロジ密度結果を見ることができます。
詳細テーブルの値はデフォルト値が使用されています。
[結果]タブの表示オプションは、次のようにします。
・[結果]タブ>[表示]>ジオメトリ>表面
・[結果]タブ>[表示]>コンタオプション>コンターバンド
トポロジー密度等値面のプロット
Topology Density Isosurface
このオブジェクトをクリックすると、トポロジ密度の等値面結果を見ることができます。
詳細テーブルの値はデフォルト値が使用されています。
[結果]タブの表示オプションは、次のようにします。
・[結果]タブ>[表示]>ジオメトリ>キャップドアイソサーフェス
・[結果]タブ>[表示]>コンタオプション>ソリッド
・[結果]タブ>[表示]>辺>モデル原形の表示
カットオフ密度はキャップドアイソサーフェスで調整できます。