トポロジー最適化例題

ATP015:等価放射パワー(ERP)の最小化

概要

等価放射パワー(ERP)応答の使用例です。ERP計算は、筐体パネル振動が空間(音響流体)へ放射する音圧を、構造解析から予測する手法です。パネルのERPは次式で計算されます。

ここで、vnはパネルの各グリッドでの速度の法線成分、Aeは各グリッドの有効パネル面積。ERPRLF(放射損失係数)、ERPRHO(流体密度)およびERPC(流体音速)の3つは解析設定の詳細のERP Parametersで設定するパラメタです。
例題アーカイブファイル「ATP015_ref.wbpz」のトポロジ設計条件は、次の通りです。
・目的関数:指定パネルでの等価放射パワー(Equivalent Radiated Power)ピーク値の最小化
      ひずみエネルギの最小化
・制約条件:質量(Mass Fraction)の上限値を設計領域質量の70%に規定
・設計領域:1ソリッドボディ
・製造制約:鏡面対称
・初期質量(Initial Mass Fraction):設計領域質量の100%
・使用単位系:メートル(kg, mm, s, ℃, mA, N, mV)

解析モデル/構造最適化結果

構造最適化ワークフロー

GENESISは、3つの解析システムにリンクされています。

GENESISノード

GENESISノードでは、最適化条件設定と最適構造の出力に必要な最小限のオブジェクトが使用されています。

解析設定

ERP ParameterカテゴリのFluid Densityの値が変更されています。

ERP Parameter
Fluid Density0.001 kg/mm3
Speed of Sound Fluid1 mm/s
Radiation Loss Factor1
Decibel Scale Factor1
Decibel Reference Value1W
ERP Panel Thickness for Solid1mm
ERP Panel Stiffness for Solid1E-06

設計領域の定義

Topology Regions

定義
Design Region TypeIndependently Designed(デフォルト値)
Design Region LimitedYes(デフォルト値)
□Initial Mass Fraction1
Design Region Definition
スコープ方法ジオメトリ選択(デフォルト値)
ジオメトリ1ボディ(設計領域を選択)
Frozen Region Definition
Define Frozen RegionNo(デフォルト値)
Fabrication Constraints
Coordinate SystemCoordinate System
Constraint 1MXY:Mirror about XY plane
Constraint 2MYZ:Mirror about YZ plane
Constraint 3None(デフォルト値)
Minimum Size ControlNo(デフォルト値)
Maximum Size ControlNo(デフォルト値)
Power Rule
□Power Rule > RV13(デフォルト値)
□Power Rule > RV21E-06(デフォルト値)

設計目的の定義

Topology Objectives

Geometry
Scoping MethodGeometry Selection(デフォルト値)
Geometry1 Face(放射パネルとなる面を選択します)
定義
Response TypeEquivalent Radiated Power
ItemERP Value
LoadCase SelectionTabular Data*
Response CreationOne Response for all selected nodes/elements
Objective Definition Switch
GoalMin-Max(デフォルト値)
Initial Peak Response ValueMaximum Response Value of Initial Cycle(デフォルト値)
□Bound Scale Factor for Beta1(デフォルト値)
□Weight1(デフォルト値)
*テーブルを開き、LoadCase#2(Harmonic Response)が選択されていることを確認します

Topology Objectives 2

定義
Response TypeStrain Energy(デフォルト値)
RegionEntire Model(デフォルト値)
LoadCase SelectionTabular Data*
Objective Definition Switch
GoalMin(デフォルト値)
□Weight1(デフォルト値)
*テーブルを開き、LoadCase#3(Static Structural)が選択されていることを確認します

設計制約の定義

Topology Constraints

定義
Response TypeTopology Mass Fraction(デフォルト値)
RegionAll Designed Group(デフォルト値)
Constraint Bounds
□Lower BoundNone(デフォルト値)
□Upper Bound0.7
Bound TypeActual(デフォルト値)

結果情報

Solution Information
最適化計算の実行時に、このオブジェクトをクリックすると、ワークシート画面にプリントされる進行情報を見ることができます。詳細テーブルの値はデフォルト値が使用されています。

トポロジー密度等値面のプロット

Topology Density Isosurface
このオブジェクトをクリックすると、トポロジ密度の等値面結果を見ることができます。
詳細テーブルの値はデフォルト値が使用されています。
[結果]タブの表示オプションは、次のようにします。
・[結果]タブ>[表示]>ジオメトリ>キャップドアイソサーフェス
・[結果]タブ>[表示]>コンタオプション>ソリッド
・[結果]タブ>[表示]>辺>モデル原形の表示

カットオフ密度はキャップドアイソサーフェスで調整できます。

アイソサーフェス上に要素密度コンタをプロットするには、次の表示オプションを使用します。
・[結果]タブ>[表示]>コンタオプション>コンターバンド

等価放射パワー(ERP)応答のプロット

Equivalent Radiated Power
このオブジェクトをクリックすると、ERP値の周波数応答図を見ることができます。 詳細テーブルの値は、次の値を使用します。ERP PanelパラメタとLoadCaseパラメタを入力します。

Scope
スコープ方法ジオメトリ選択(デフォルト値)
ジオメトリ1面
定義
TypeEquivalent Radiation Power(デフォルト値)
ERP PanelALLPANEL
Component(㏈)
LoadCase2, Harmonic Response (B5), Load Step=1,Time Freq=0.0
指定時間
□表示時間最終
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